歯周病治療に効果的な外科手術
前回のコラムでは「スケーリング」や「ルートプレーニング」など歯周病の予防や初期治療の段階で、切らない治療方法を掲載しましたが、歯周ポケットの状態や歯周病の進行状況によっては外科手術を選択するケースもあります。
歯周病の基本的な治療はプラークコントロールや付いてしまった歯石の除去になります。患者様の中にはスケーリングやルートプレーニングでは歯周ポ ケットが浅くなりにくい状況の方もおり、その場合は歯周病が再発する危険性があるので「フラップ手術」という外科手術をして状況を改善させる事が可能で す。
フラップ手術を簡潔にご説明します。
1)歯周ポケット周辺の歯肉を切開。
2)歯根が露出されますので、その部分をスケーラーで歯石除去。
3)その後、歯肉を元に戻して終了です。
※手術時間は患者様の状態にもよりますが、大体2時間前後です。
フラップ手術のメリットとデメリット
■メリット
・歯肉を切開することによって、歯科医が歯周ポケット深部の病巣を目で確認して徹底的に清掃できるので、汚れを取り残す事がない。
・手術により歯周ポケット内の汚れをリセットできるので、その後はセルフケアでプラークコントロールが出来る口腔内の環境ができる。
■デメリット
・手術前に既に破壊されてしまった歯周組織は再生できないので、治療後に歯茎が下がる可能性がある。(歯が長く見える可能性がある)
・手術のデメリットではありませんが、フラップ手術自体が出来ない患者様もいます。手術後、合併症の危険性がある心臓病や出血性の病気がある方は手術自体ができません。
このようなメリットとデメリットを医師とのカウンセリングでしっかりご理解頂いてから手術をすることが大前提となります。その為には患者様自身で、現状罹っている病気や服用しているお薬の申告が大変重要となってきますので、治療前に必ず医師にお伝えください。